決算仕訳は頻出の問題のため、合格のためには落とせない問題です。
とはいえ、解くには細かい計算が必要なため、模擬試験や本番では特に焦りますよね。

売買益を計算して・・・
あれ?あと何やるんだっけ??
あ~やばいやばい…
こんな経験をしたことないでしょうか?
そこでこの記事では、本番でテンパらないために決算仕訳の仕訳手順について解説します。

手順が分かっていれば、本番でも落ち着いて計算できます。
どの勘定科目を使い、どう計算するのか確認していきましょう。
売買目的有価証券とは

まずは「売買目的有価証券」についてサラッとおさらいしておきましょう。
※分かっている方は、ここはスキップしてOKです。
・「資産」の勘定科目
・保有し続けると「受取配当金」や「有価証券利息」をもらえる
・売却するときは「有価証券売却益(または売却損)」で計上する
株価の値動きによる評価損や、投資した会社の倒産リスクなどを抱えることになります。
その代わり、業績が上手くいったときは利子配当をもらえたり売却して利ザヤを稼ぐことが出来ます。

本試験の問題では、「A社の株を〇円で購入し」
のように、個別株を売買する形式で出題されます。
決算仕訳の方法
結論から書くと、売買目的有価証券の問題は以下のステップで解いていきます。
②利息が付く場合は日割りで計算する
③「有価証券の売買」と「利息」を仕訳する
有価証券の決算仕訳問題は、試験の問1で多く出題されます。
例題をみながら解き方を解説しましょう。
6月12日、売買目的の有価証券として額面総額400,000円の公社債(利率は年0.42%、利払い日は3月末と9月末)を額面100円につき98円で買い入れ、代金は直前の利払い日の翌日から今日までの期間における端数利息とともに現金で支払った。なお、端数利息の金額については1年を365日として日割り計算する。

うわぁ~文字がいっぱい…

最初は面食らいますよね。私もそうでした。
ひとつひとつ確認していきましょう。
・6月12日に買ったため、4月1日~6月12日までの利息(年0.42%)も含めて支払う
・利息は日割りで計算する
いくらで買えたか計算する
まずは、いくらで買えたか計算します。
問題文には
「額面総額400,000円の公社債(利率は年0.42%、利払い日は3月末と9月末)を額面100円につき98円で買い入れ」
とあります。
これは「400,000円の有価証券を、額面100円のモノが98円でお得に買えた」ということです。

つまり、売買だけ見れば得してます。
そのため、計算式はこのようになります。
400,000(円)× 98/100 = 392,000
よって、売買の仕訳はこうなります。
(借方) | (貸方) |
---|---|
(売買目的有価証券)392,000 | (現金)392,000 |
利息が付く場合は日割りで計算する
次に、利息を計算します。
問題文の
「6月12日、(前略)(利率は年0.42%、利払い日は3月末と9月末)(中略)代金は直前の利払い日の翌日から今日までの期間における端数利息とともに現金で支払った。なお、端数利息の金額については1年を365日として日割り計算する。」
この「6月12日」と「利払い日」が重要です。
これはつまり
ということです。

さて問題です。
4月1日~6月12日までは何日あるでしょうか。
・5月 → 31日
・6月 → 12日(売買日)
合計73日ですね。
1年は365日のため、利息は以下のよう計算します。
400,000(円) × 73/365(日) × 0.42/100 = 336(円)
これで利息分が計算できました。
(借方) | (貸方) |
---|---|
(有価証券利息)366 | (現金)366 |
「有価証券の売買」と「利息」を仕訳する
これで「有価証券の売買」と「利息」が計算できました。
この2つを足して、これが例題の答えです。
(借方) | (貸方) |
---|---|
(売買目的有価証券)392,000 | (現金)392,366 |
(有価証券利息)366 |
まとめ
有価証券の決算整理は、本試験の問1でよく出題されます。
解き方は以下のステップを踏んで解いていけば大丈夫です。
②利息が付く場合は日割りで計算する
③「有価証券の売買」と「利息」を仕訳する
決算仕訳では、他にも「満期保有目的債券」がよく出ます。
解説記事はこちら