「簿記2級、独学だと聞ける人がいないな」
「過去問の解説を見てるけど、どうしてこの答えになるか分からない…」
簿記はけっこうクセがあり、特に独学で勉強しているとつまづいた時に自力で調べるしかないですよね。
私も仕事終わりに勉強していて、つまづいて、調べて、いつの間にか寝る時間になってる…
そんな日もありました。
この記事では、日商簿記2級のつまづきやすいポイント「為替取引(外貨建て取引)」について解説していきます。
私が自力で腹オチするまで調べた内容になっているので、解決の一助になってくれたらうれしいです。
特に解説を読んでも分からなかったというあなたに、読んでいただけたらと思います。
そもそも為替とは
そもそも為替とは何なのか、簡単におさらいしておきましょう(分かる方はスキップしてok)
日本の企業が外国の企業と取引をする時、「モノやサービス」と「(対価としての)お金」の交換をします。
この時、日本企業としては現地の通貨ではなく「日本円」で欲しいですよね。

相手先の国のお金は、日本円に直すといくらなんだろ?
この時に出てくるのが「為替(かわせ)」です。特に、現在の基軸通貨である米ドルとの為替価格は、毎日の経済ニュースで取り上げられるほど重要な指標です。
1ドル 130円20銭 ~ 25銭 (アメリカの企業とのビジネスに使用)
1ユーロ 141円10銭 ~ 20銭 (ユーロ圏の企業とのビジネスに使用)
”いつ”決済したかでレートが決まる
結論から先にお伝えすると、いつ決済したかで為替レートが決まります。
注目する所はこの2つです。
・為替予約をした日の為替相場(1ドル何円か?)
実際に例題を解いてみましょう。
為替予約による円換算額との差額はすべて当期の損益として処理する。
なお、輸入取引があった×年9月1日の為替相場(直物為替相場)は1ドル113円であり、本日(×年10月1日)の為替相場(直物取引相場)は1ドル114円である。

うわ~…
数字と日付がいっぱい出てきた…

文字と数字がズラーッと並んでて読みにくいですね。
わざと読みにくく作ってるんじゃないかとも思えてきます。
このままだと分かりにくいので、箇条書きで整理しましょう。
×年10月1日(今日) 為替予約(1ドル115円) ※直物相場1ドル114円
×年10月31日 決済
いろんな日付でいろんな為替レートが出てきますが、落ち着いてくださいね。
問題文の中には、解くのに必要のない情報が混じっています。
おそらく、受験者をふるいにかける狙いがあるのでしょう。
ここでのポイントは「1ドル115円で~為替予約を取引銀行と契約した」と
「輸入取引があった×年9月1日の為替相場(直物為替相場)は1ドル113円」です。
他は無視してokです。
・取引時の直物相場1ドル113円(×年9月1日)
・為替予約時の相場1ドル115円(×年10月1日)
取引発生時の買掛金は、日本円に直すと
50,000(ドル)×113(円/ドル)=5,650,000(円)
為替予約時の買掛金は、日本円に直すと
50,000(ドル)×115(円/ドル)=5,750,000(円)
このとき
5,650,000(円)-5,750,000(円)=△100,000(円)
つまり「買掛金を10万円余計に払った」ということになります。
よって、この問題の答えはこうなります。
(借方) | (貸方) |
---|---|
(為替差損益)100,000 | (買掛金)100,000 |
先物(為替予約)とは
このように、10月1日(今日)の段階でも月末の決済金額を確定できるシステムを「為替予約」といいます。
この時参考にする為替相場を「先物為替相場」といいます。
参考URL:外貨預金の為替予約 | 三菱UFJ銀行 (mufg.jp)
先ほどの例題では、こちらに損な取引になってしまいましたが、為替予約にはこんなメリットがあります。
・将来の為替がどうなるかは分からない(もっと損をする可能性だってある)

将来の為替で利益を得る可能性も消えますが、
代わりにこれ以上損をしないように
リスクヘッジ(保険をかける)が出来るんですね。
まとめ 決済のタイミングに注目しよう
為替取引(外貨建て取引)の問題は、いろんな日付と数字が出てきます。
最初のうちはアタフタしてしまうかもしれませんが、パターンさえ分かればそんなに難しくありません。
ポイントはこの2つです。
・為替予約をした日の為替相場(1ドル何円か?)
この2つを比べて、差額を「為替差損益」という勘定科目で仕訳ければ完了です。
このタイプの問題は問1の仕訳問題で出題されることが多いので、上のパターンに当てはめてサクッと得点しちゃいましょう。
問題を解く順番も試験攻略のカギになります。詳しくはコチラの記事もご覧ください↓