決算仕訳は、簿記試験を突破するうえで落とせない問題の1つです。
とはいえ、初見ワードが多い簿記の勉強はけっこう大変ですよね。

仕事も忙しいし、時間かけて調べてられないよ~

もうムリ…私には合わなかったのかなぁ
そんな風に1度は思ったこと、ありますよね。
でも大丈夫です。
最初はみんなつまづくもの、特に独学ならなおさらです。
この記事では、満期保有目的債券の決算仕訳について解説していきます。
独学で簿記2級に合格した私が腹オチするまで調べた内容となっているので、あなたの勉強の一助になればうれしいです。
そもそも「満期保有目的債券」とは
まず「満期保有目的債券」とはなにか、確認しておきましょう。
・ある一定期間経過する(満期になる)と元本が戻ってくる
・満期までは定期的に利息がもらえる
・発行体(国、企業など)が潰れたら元本は戻ってこない

決算仕訳の問題では「利息の計算」がよく出ます。
具体的なステップについて解説しますね。
決算仕訳の方法
満期保有目的債券の決算仕訳は、以下のステップで行います。
②満期まであと何ヶ月あるか、決算日時点で何ヶ月経ったか確認する
③借方は「満期保有目的債券」、貸方は「有価証券利息」で仕訳
「額面総額」から「購入価格」を引く
まずは「額面総額」と「購入価格」との差を計算します。

え?いきなり聞いたことないワードが…
もうイヤになってきた…

まぁまぁ落ち着いて。
言葉の意味から解説しますよ。
・購入価格・・・買った時の値段

???
ますます分からん…

ちょっと分かりにくいですよね。
簡単な例を出します。
(満期日は令和10年3月31日)

このように、5,000円の債券を4,800円で買えることがあるんです。
5,000円が額面総額、4,800円が購入価格ですね。
この場合、差額は200円(5,000円-4,800円)です。
これを金利調整額といいます。
満期まで何ヶ月あるか、決算日時点で何ヶ月経ったか確認する
簡単な例題を解いてみましょう。
令和5年4月1日 A社社債5,000円(額面総額)を4,800円で購入している。
(満期日は令和10年3月31日)
この場合、以下のようになりますね。
・決算日(令和6年3月31日)時点で何ヶ月経ったか・・・12ヶ月(1年)
ということは、決算日(令和6年3月31日)には

60ヶ月で満期になるけど、12ヶ月分の利息がもらえたぞ!
ヤッホー!!
となります。
このように一定額を処理する方法を償却原価法(定額法)といいます。

ほかの計算方法もありますが、それは1級の範囲になります。
2級の問題は定額法で処理します。
借方は「満期保有目的債券」、貸方は「有価証券利息」で仕訳
さて、これで例題の今年度決算への計上額が分かりましたね。
・今年度に計上する分は12ヶ月/60ヶ月
よって、200(円)×12/60(ヶ月)=40(円/ヶ月)
となります。
利益が出ているので、借方は「満期保有目的債券」(資産)、貸方は「有価証券利息」(収益)で仕訳して完成です。
(借方) | (貸方) |
---|---|
(満期保有目的債券)40 | (有価証券利息)40 |
まとめ 債券を持っていた分だけ利息が受け取れる
満期保有目的債券は、満期を迎えれば元本が返ってくるだけでなく、保有していれば定期的に利息がもらえます。
簿記では「資産」の勘定科目です。
問題を解く方法は次のとおり
②満期まであと何ヶ月あるか、決算日時点で何ヶ月経ったか確認する
③借方は「満期保有目的債券」、貸方は「有価証券利息」で仕訳する
①×②で今年度の決算に計上する金額が計算できます。
金額が分かったら、③の勘定科目で仕訳すれば完成です。

決算仕訳は、簿記試験を突破するうえで落とせない問題の1つです。
しっかり解き方を覚えて、確実に得点しましょうね。
ほかにも決算整理の問題では「売買目的有価証券」が良く出ます。
あわせてチェックしておきましょう。