本支店会計について

勉強する女性 商業簿記
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本支店会計は簿記2級でよくでる得点源です。
とくに第1問や第4問の仕訳問題で出やすいため、合格のためには落とせないですね。

今回は、そんな本支店会計について解説していきます。

本支店会計とは

会社の規模が大きくなってくると、本店(首都圏)と支店(地方)が出来てきます。

本店でも支店でも財務諸表を作りますが、元々は1つのグループですよね。
バラバラにやっていたら、効率も悪いし面倒です。

そこで、会社のえらい人はこう言いました。

会社のえらい人
会社のえらい人

こうして、本店と支店の会計をまとめて1つにすることを本支店会計といいます。

本店は「支店」、支店は「本店」で仕訳する

たとえば、本店から支店に現金100,000円を移動させたとします。
このとき、本店側の仕訳はこうなります。

(借方)(貸方)
(支店)100,000(現金)100,000
本店側の仕訳
ともちょ
ともちょ

反対に支店は現金が入ってきたので、以下の仕訳になります。

(借方)(貸方)
(現金)100,000(本店)100,000
支店側の仕訳
ともちょ
ともちょ

この仕訳はグループ会社の内部で現金が移動しただけなので、将来的には連結会計で相殺されます。

ともちょ
ともちょ

例題を解いてみよう

第1問(商業簿記)で出る場合

では例題を解いてみましょう。
まずは第1問(商業簿記)からです。

大分物産㈱は東京本店と大阪支店を持っている。
東京本店は100円の商品を2,000個仕入れ、現金で支払った。そのうち800個を大阪支店に送付し、大阪支店はそれを受け取った。
(1)大阪支店の仕訳をしなさい。
(2)東京本店の仕訳をしなさい。

(1)大阪支店が受け取ったのは800個で、1つ100円です。
800(個)×100(円)=80,000円

東京本店から仕入れたので、在庫は増えますね。
よって、これが答えです。

(借方)(貸方)
(仕入)80,000(本店)80,000
支店側の仕訳

(2)東京本店が仕入れた商品は2,000個、1つ100円です。
2,000(個)×100(円)=200,000円

さらにここから大阪支店に800個送りました。
800(個)×100(円)=80,000円

よって、これが本店側の答えです。

(借方)(貸方)
(仕入)200,000(現金)200,000
(支店)80,000(仕入)80,000
本店側の仕訳
ともちょ
ともちょ

第4問(工業簿記)で出る場合

本支店会計の仕訳は工業簿記の範囲でも出てくることがあります。

ともちょ
ともちょ
(例題)
製品3,300,000円が完成し、本社の製品倉庫に輸送・保管した。本社会計から工場会計は独立させている。
(1)工場側で行われる仕訳をしなさい。
(2)本社側で行われる仕訳をしなさい。
ともちょ
ともちょ
・本社…「製品」勘定を持っている
・工場…「仕入」や「仕掛品」勘定を持っている

モノ作りをする時、どんなものであれ次の3ステップをたどります。

①原材料を仕入れる(仕入)
②製造する(仕掛品)
③完成する(製品)

この①~②を工場が、③を本社が握っているということが問題文のウラに隠されているのです。

ともちょ
ともちょ

さて、まずは工場側の仕訳を見ていきましょう。

(1)製品が完成したということは、仕掛品が製品に変わったということです。

「製品」の勘定科目は本社が握っているため、これが工場側の仕訳になります。

(借方)(貸方)
(本社)3,300,000(仕掛品)3,300,000
工場側の仕訳

(2)本社側は製品の納入を受けたので、貸方に「製品」を記入します。

「仕掛品」勘定は工場側が握っているので、これが答えです。

(借方)(貸方)
(製品)3,300,000(工場)3,300,000
本社側の仕訳

まとめ

本支店会計は第1問(商業簿記)と第4問(工業簿記)の仕訳問題でよく出てきます。

ここは貴重な得点源なので、キッチリ得点しましょう。

特に工業簿記の問題では、「支店」の代わりに「工場」が出てくることが多いです。

・本社…「製品」勘定を持っている
・工場…「仕入」や「仕掛品」勘定を持っている
ともちょ
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