サービス業の会計処理は、おもに第1問(仕訳問題)でよく出題されます。
代金をその場で支払う場合や、翌月に支払う場合など、いろいろあります。

商品売買のときは、モノを引き渡すときにお金を払いますよね。
そこが少し違います。
この記事ではサービス業の仕訳処理について解説していきます。
処理の仕方は2パターンある
結論からいうと、仕訳パターンは以下の2通りです。
・代金を翌月に支払う → 借方は売掛金(資産)
※どちらも貸方は「役務収益」
その場で支払う場合
・ホテルに宿泊する
・映画館で映画を観る etc
こんな時は、その場で支払いますね。
例えば現金で支払った場合、以下のように仕訳されます。
(借方) | (貸方) |
---|---|
(現金)〇〇 | (前受金)〇〇 |

代金を受け取ったとき、まだサービスは提供していません。
そのため、「今後サービスを提供しなければならない約束」
→「前受金」(負債)で処理するんですね。
その後、サービスを提供したら「前受金」を「役務収益」に振り替えます。
(借方) | (貸方) |
---|---|
(前受金)〇〇 | (役務収益)〇〇 |
来月以降に支払う場合
・月額会員制のジムに通う
・インターネットを使う
・月謝を払って学習塾に行く etc

これらのケースでは、今月分の利用代金が
来月に請求されてきますね。
支払が来月以降になるときは、「売掛金(資産)」で処理します
(借方) | (貸方) |
---|---|
(売掛金)△△ | (役務収益)△△ |

この場合は先にサービス提供を行うので
その対価として後日料金をもらいます。
つまり「資産」ですね。
サービスの提供が途中だったら
代金を全額もらったものの、サービス提供がまだ途中という場合もあります。
たとえば、次のようなときはどう仕訳すればいいでしょうか。

5,000円受け取って、7割終了しているので
5,000×0.7=3,500円分はサービスを提供
し終わっているということですね。
サービス提供が終了している分は、収益の勘定科目である「役務収益」で処理します。
よって、例題の答えはこうなります。
(借方) | (貸方) |
---|---|
(前受金)3,500 | (役務収益)3,500 |
追加の費用が発生したら
サービスを提供するまでの期間に、追加費用が発生する場合があります。
たとえば、こんな場合です。
・ホテルでオプションを利用した etc
その場合、問題文には「追加で発生した費用××円について…」と記載があるので、指示に従います。
傾向としては、借方は「仕掛品」や「買掛金」で計上する場合が多いです。
その場合、貸方は「役務原価」で計上されます。
(借方) | (貸方) |
---|---|
(仕掛品)・・ | (役務収益)×× |
(買掛金)△△ |
例題を解いてみよう
では、例題を解いてみましょう。
これに伴って、仕掛品に計上していた費用100,000円と追加費用50,000円(支払は翌月末)との合計額を原価に計上した。

「サービス提供の役務」と、「役務原価」の仕訳があるね。
まずは「サービス提供の役務」の仕訳なんだけど、
サービス提供は終わってるから、前受金を役務収益に振り替えかな?

惜しい!問題文をよく読んでみましょう。
「支払いは翌月末」とありますよね。
ということは、「売掛金」を振り替え処理します。

なるほど。次は「役務原価」の仕訳だね。
仕掛品100,000円と追加費用50,000円があるけど、
追加費用の支払は”翌月末”だから・・・買掛金?

正解!そのとおり!
よって、正解は以下のようになります。
(借方) | (貸方) |
---|---|
(売掛金)500,000 | (役務収益)500,000 |
(役務原価)150,000 | (仕掛品)100,000 |
(買掛金)50,000 |
まとめ いつ収益化したかに注目しよう
サービス業の会計処理は、おもに第1問(仕訳問題)でよく出題されます。
確実に得点するために、いつ収益化したかに注目して仕訳しましょう。
・代金を翌月に支払う → 借方は売掛金(資産)
※どちらも貸方は「役務収益」