【図解あり】工業簿記の直接労務費の差異分析

工業簿記
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「独学だと誰にも聞けないし・・・」
「言葉の意味が分からないな~」

簿記は初見ワードがたくさん出てきます。
特に2級は工業簿記も範囲に追加されるため、独学だとつまずいたときに大変ですよね。

この記事では、直接労務費の再分析について解説していきます。

ともちょ
ともちょ

初めて見るワードがけっこう出ますが、

なるべく丁寧に解説していきますね。

原価差異は3つある

工業簿記において、原価差異の構成要素は3つあります。

・直接材料費差異
直接労務費差異
・間接製造費差異

直接労務費とは、”製品の製造に直接関わった人の賃金”です。

ともちょ
ともちょ

例えば、自動車を作るとします。

①フレームを溶接して組む人

②組みあがった部品を運ぶ人

①の人は製造に直接かかわっていますが、

②の人は直接は関わっていません。

そのため、①の費用(人件費など)は計上しますが、②の費用は計上しません。
※②の費用は「間接労務費」といいます。「間接労務費」は、製造間接費で計算されます。

【図解あり】工業簿記の直接材料費差異の分析
簿記2級を勉強していると、初見ワードがかなり出てきます。特に未経験の方が独学でやっていくと、必ずつまづくところが出てきます。 ともちょ でも大丈夫、それがふつうです。 私も腹オチするのに苦労しました。 その1つが”原価差異”です。 ただし、

表をつかって分析してみよう

直接労務費は、さらに2つに分けられます。

・賃率差異 → 目標の賃率の差-実際の賃率の差
・時間差異 → 目標とする時間-実際にかかった時間

この2つも、表を使って計算できます。

ともちょ
ともちょ

直接材料費差異の表と、かたちは一緒ですね。
賃率差異 → 時間差異
の順番で計算しましょう。

例題を解いてみよう

では、例題を解いてみましょう。

㈱いとおかし店では、ショートケーキを製造している。原価計算方式としては標準原価計算を採用している。今月の予算と実績は下記に示すとおりであり、役員会議用の報告書を作成している。次の[資料1][資料2]にもとづき、直接労務費差異を賃率差異と時間差異に分けなさい。
なお、月初・月末に仕掛品は存在しないものとする。
[資料1]ショートケーキ
生産量1,300個
作業時間900時間
直接労務費1,350,000円
今月の目標
[資料2]ショートケーキ
生産量1,300個
作業時間920時間
直接労務費1,361,600円
今月の実績

数字がいっぱい出てきて頭痛が…

ともちょ
ともちょ

さっきの表を思い出してください。

あれに当てはめれば簡単ですよ。

まず、問題を整理しましょう。

・直接労務費の「賃率差異」と「時間差異」を求める。
・目標とした労務費は1,350,000円だが、実際は1,361,600円かかった。
・目標時間は900時間だったが、実際は920時間かかった。

まずは、標準作業時間と標準賃率を求めます。
標準作業時間は、表にあるとおり900時間ですね。

次に、標準賃率を求めます。
ショートケーキを作るのに1,350,000円、900時間かかると見たので
1,350,000円 ÷900時間 =1,500(円/時)ですね。

次に、実際作業時間と実際賃率を求めます。
同じように実際作業時間は920時間、実際賃率は
1,361,600円 ÷920時間 =1,480(円/時)となります。

ともちょ
ともちょ

これを表に代入してみましょう。

よって、これが答えです。
賃率差異 18,400円(有利差異)
時間差異 △30,000(不利差異)

ともちょ
ともちょ

今回の分析の結果は次の通りです。

・賃率(人件費)は予想より抑えられた
・作業時間は予想よりかかってしまった


→今月は直接労務費が上がってしまった。

まとめ 表を作ればアッサリ解ける

直接労務費差異は原価を構成する重要な要素です。
直接材料費と同じく、数字を求めて表に入れればアッサリ解けることがあります。

直接労務費差異  ・賃率差異 → 目標の賃率の差-実際の賃率の差
         ・時間差異 → 目標とする時間-実際にかかった時間

ここまで読んでくれてありがとうございました。
あなたの合格、信じてますよ。

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