【図解あり】工業簿記の3つの操業度の違い

標準・実際・基準操業度 工業簿記
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「独学だと分からないところが聞けない…」
「初見ワードが多くて、そもそも言葉の意味が分からない…」

工業簿記は得点源となる科目ですが、初見ワードが多くてつまずくと苦労しますよね。
特に独学でつまづくと、その後の問題の答えが出なかったりしてテンパります。

そこでこの記事では、特にわかりづらいと言われる

・標準操業度
・実際操業度
・基準操業度

この3つの違いについて解説していきます。

ともちょ
ともちょ

すでに言葉が似ててまぎわらしいですね。
どういう風に違うのか、なるべく分かりやすく解説していきます。

そもそも操業度とは

そもそも操業度とはなんなのでしょうか。
コトバンクで検索すると、次のように出てきます。

生産設備の能力の利用度をいい、可能な生産量に対する実際の生産量の比率でとらえられる。
(コトバンクより一部抜粋)

う~ん・・・???

ともちょ
ともちょ

ちょっとイメージしづらいですね。
例題を見ながら詳しく説明していきます。

・A食品㈱の工場では新たに機械を購入しました。
・この機械で作れる商品を宣伝したところ、440個/月の注文がありました。
・実際に作って納品したら、420時間/月かかりました。
この場合、
・標準操業度
・実際操業度
・基準操業度
はそれぞれ何時間か。
なお、機械のスペックは下図の通りとする。
固定費(月額)フル稼働できる時間(月)商品1個作るのにかかる時間
150,000円600時間1時間/個
機械のスペック

標準操業度

標準操業度とは、”ある一定期間の受注数をうけて目標とする時間”のことです。

今月の受注数は440個/時間、製品1個作るのに1時間かかるので
440(個)×1(時間/個)=440(時間)

これが標準操業度です。

ともちょ
ともちょ

・1個作るのに1時間かかる
・今月の受注数は440個
→じゃあ目標は440時間!
ってことですね。

実際操業度

実際作業度とは、文字どおり”実際に稼働した時間”です。

ともちょ
ともちょ

上の例の場合、420時間/月ですね。
これは分かりやすいと思います。

基準操業度

基準操業度とは、機械をフル稼働させたときの時間です。

ともちょ
ともちょ

いろんな都合で稼働時間を調整していますが、企業としては
「ガンガン稼働させた方がコスパいいだろう」
と思っています。せっかく買った機械、遊ばせておくのは
もったいないと思うんですね。

ということで、図より基準操業度は600時間/月です。

表に落としこんでみよう

ここまでの情報は、下のように表に落としこむ事が出来ます。
この図は”シュレッター図”とも言います。

あれ?「標準操業度」と「実際操業度」の順番おかしくない?
440→420→600(時間)になってるよ。

ともちょ
ともちょ

最初は違和感を感じると思います。
でも、この図は必ず「標準」「実際」「基準」の順で並べるんです。
たとえ時間が何時間であっても、です。
ょうじゅん」「っさい」「じゅん」
→”ひじき”と覚えましょう!

ちなみに、固定費を基準操業度で割ったものを固定費率といいます。

まとめ 問題文に書いてあるか計算して求める

操業度は3つの基準がありますが、それぞれの違いは次の通りです。

・標準操業度:受注数をうけて目標とする時間
・実際操業度:実際に稼働した時間
・基準操業度:機械をフル稼働させたときの時間

問題を解く際は下の表(シュレッター図)に落としこんでいくことになるので、ここで覚えておきましょう。

左から
ょうじゅん」「っさい」「じゅん」
→”ひじき”と覚えましょう。

そして、このうち1つ以上は問題文に書いてあることが多いです。
そこを見落とさずに表に当てはめて、丁寧に計算すれば得点できます。

ともちょ
ともちょ

パッと見はたくさん数字が出てきますが、
問題文を読み取って表が書ければけっこう
解けたりします。
あとはたくさん問題に触れて慣れましょう!
ファイト!!

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