【工業簿記2級】CVP分析

勉強する女性 工業簿記
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「簿記2級って範囲が広くてタイヘン」
「解説を見たけど、よく分からなかったよ」

簿記2級は3級に比べて範囲も広く、特に工業簿記は計算に慣れていないと手強い分野でもあります。
そんな中でも、私が得点しやすいと思う問題が、この”CVP分析”です。

ともちょ
ともちょ

問5でCVP分析の問題が出てきたら

「よっしゃラッキー!」です。

確実に12点(満点)を狙いたいですね。

この記事では、CVP分析が得点しやすい理由を、例題を解きながら解説していきます。
独学合格するには得点しやすいだけに落とせない、そんな問題になっていますので、確実に決められるようにしましょう。

ともちょ
ともちょ

私が試験を受けた時は残念ながら出ませんでしたが、
自信がある分野は多い方がいいですね!

そもそもCVP分析とは

CVP分析とは、以下の単語の頭文字をとった造語です。

・Cost   (原価)
・Volume (生産量・販売量)
・Profit    (利益)

つまり「原価がいくらで、どれだけ作って、何円利益が出たか」を分析するってことです。
これらを分析することで、売上高や利益目標を計算することが出来ます。

ともちょ
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ドラマとかで、営業系の部署の壁にデカデカと

「目標売上○○円!」「契約××件!」「必達!!」

なんて書かれているの、見たことありませんか?

目標が具体的に数値で出ることで、会社側(上司側)は意志の疎通が取れやすくなるでしょう。

従業員サイドからしても、会社側(上司職)が設定した目標を

何でこの目標なの?今月のノルマ、まじキツイわ~

と思うのか、それとも

・前年の利益が○○円だった
・1件契約が取れると、およそ△△円の利益が出る
→会社は前年比××%の増収を見込んでいるのか!
 それなら原価率が低いA商品をまとめて売り込むか、

 それとも原価率は高いが評判もいいB商品を広いエリアで展開するか・・・

と分析するのとでは、成績もボーナスの査定額も変わってきそうですね。

例題を解いてみよう

当年度の直接原価計算方式の損益計算書は次の通りであった。(単位:円)

売上高          3,000,000 
変動売上原価       1,140,000
変動製造マージン     1,860,000
変動販売費           60,000
貢献利益                       1,800,000
製造固定費                       700,000
固定販売費・一般管理費     560,000
営業利益                         540,000

なお、変動費率および年間固定費が次年度も当年度と同様であると予測されている。
問1 損益分岐点売上高を計算しなさい。
問2 損益分岐点売上高を90,000円引き下げるため削減すべき固定費を計算しなさい。

※「直接原価計算方式」というのは、費用を”固定費”と”変動費”に分ける方法です。
詳しくは下記の記事で解説しています。

【図解あり】工業簿記の原価計算方法の違い(直接・標準)
工業簿記を勉強していると「○○原価計算」というワードがたくさん出てきますよね。勉強している途中で「何がどれだったっけ?」と混乱してしまうことも多いのではないでしょうか。前回までは固定費も変動費も”全部まとめて”計算する「全部原価計算」につい...

1次方程式で解ける

結論からお伝えすると、中学校で学んだ1次方程式で解けます
ポイントは、求めたい値を基準にすることです。
では、実際に解いていきましょう。

問1は、売上をSとする

まず、問1です。
例題の中で注目すべきは「売上高」「変動費」「貢献利益」「固定費」「営業利益」です。
※「変動製造マージン」はここでは無視します。

・変動費=変動売上原価+変動販売費
・貢献利益=売上高-変動費
・固定費=製造固定費+固定販売費・一般管理費
・営業利益=貢献利益-固定費

そして、「売上高」を”S”とします。
そして、上記の「変動費」「貢献利益」「固定費」「営業利益」を”S”で表すと、以下のようになります。

売上高         S      
変動費           0.4S      (=1,140,000+60,000=1,200,000)
貢献利益                      0.6S        (=3,000,000-1,200,000=1,800,000)
固定費                        1,260,000 (=700,000+560,000)
営業利益                     0.6S-1,260,000

問1は「損益分岐点売上高」を求めます。
損益分岐点とは、会社が利益を出せたかどうかの境界線、つまり「赤字と黒字の境界線」のことです。

損益分岐点売上高・・・営業利益=0

よって、
営業利益=0.6S-1,260,000=0
S=1,260,000÷0.6=2,100,000

問1の答えは、2,100,000(円)です。

問2は、固定費をXとする

続いて問2です。
問題文に「損益分岐点売上高を90,000円引き下げる」とあるので、
問1で求めた「損益分岐点売上高」を90,000円下げます。
S=2,100,000-90,000=2,010,000(円)ですね。

ここで注目すべきは、営業利益です。問1で作ったグラフを見てみましょう。
問2で求めるのは「削減すべき固定費」なので、固定費をXとします。

売上高         S  (問2の時は2,010,000)     
変動費           0.4S      
貢献利益                      0.6S        
固定費                        X
営業利益                     0.6S-X

営業利益は0.6S-Xですね。売上高(S)は2,010,000なので、次の式が成り立ちます。

営業利益=0.6S-X=0.6×2,010,000-X=1,206,000-X=0
よって、X=1,206,000(円)

ここで、問1の時の固定費は1,260,000(円)でしたね。
この固定費の差が「削減すべき固定費」の答えです。

1,260,000-1,206,000=54,000

問2の答えは、54,000(円)です。

まとめ CVP分析は満点を目指そう

CVP分析は、1次方程式さえ立てられれば解ける問題が多いです。
求めたい値を基準にする(売上高を求めたいなら、売上高をSとするなど)ことで、答えは導けるでしょう。

ともちょ
ともちょ

この手の問題が出たら、満点を目指したいですね。
確実に得点できる所は得点しましょう!

工業簿記は難問・奇問が少ない印象があるため、独学で挑む方にとっては得点源です。
問題を何回も解いて慣れておきましょう。

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