「工業簿記って言葉が難しいんだよな」
「問題を見た瞬間イヤになるよ…」
工業簿記は初見ワードがよく出てくるので、正直まいっちゃいますよね。
でも労務費は割と解きやすいし、第4問の仕訳問題でも出ることもあるんです。
この記事では
・本試験で出やすいポイント
・労務費の計算・仕訳の仕方
について解説していきます。
言葉の意味や出やすい所が分かってしまえば、意外にアッサリ得点できたりしますよ。
仕訳問題で出るのは「賃金」と「製造間接費」
結論から書くと、工業簿記の労務費では次のポイントを抑えとけばOKです。
・借方は「製造間接費」、貸方は「賃金」(直接労務費以外)
・予定賃率×作業時間=賃金の額

あ~ちょっと何言ってるか分からいです

最初はそんなもんです。
言葉の意味から解説していきますね
用語の分類と意味
まず、用語の分類と意味は次のとおりです。

工場で製品を作る人を工員といい、工員は”直接工”と”間接工”の2つに分かれます。
間接工…直接工をサポートする仕事(材料を運ぶ、溶接機械を修理するなど)
直接工のなかでも、製品にダイレクトに関わるものを直接作業分、それ以外のものを間接作業分といいます。

たとえば木製のイスを作るとき
・木材を組み立てる職人さん→直接作業分
・全体を管理する工場長→間接作業分
という感じですね。
さて、ここで1つ質問です。
時給って、誰が決めてると思いますか?

工場長や社長が決めるんじゃないの?

そうですね。
社長みたいな”エラい人たち”が決めてます。
エラい人たちは、働く人たちの賃金について大体の目安を作っておきます。
(時給1,000円とか、求人広告で見るやつですね)

今年は業績が良さそうだから、時給○○円にしようかな。
主任は+△円、役職手当は××円にしよう…
このように、エラい人たちが決める賃金の大体の目安を予定賃率といいます。

時給≒予定賃率
で覚えてください。
直接作業分のみ「仕掛品」で仕訳する

木材を組み立てる職人さんのように、製造にダイレクトに関わる人が働いた時間を直接作業分と言います。
直接作業分の貸方は「賃金」、借方は「仕掛品」で計上します。
(借方) | (貸方) |
---|---|
(仕掛品)○○ | (賃金)○○ |
それ以外は「製造間接費」で仕訳する
それ以外の人が働いた時間は間接作業分と言い、借方は「製造間接費」で仕訳します。
直接作業分以外は全て製造間接費です。

それ以外の人とは
・工場長(管理職)
・資材の運搬係
・製造機械のメンテナンス係
など、直接製品を作らない人です。
(借方) | (貸方) |
---|---|
(製造間接費)○○ | (賃金)○○ |
例題を解いてみよう
例題を解いてみましょう。
この問題のポイントは次のとおり
・直接工(職人さん)は1,380時間働いた。
・間接工(それ以外の人)は50時間働いた。
予定賃率×作業時間=賃金の額のため
直接工
1,380時間×1,500円=2,070,000円
間接工
50時間×1,500円=75,000円
直接工の借方は「仕掛品」、間接工は「製造間接費」で仕訳するので、これが答えです。
(借方) | (貸方) |
---|---|
(仕掛品)2,070,000 | (賃金)2,145,000 |
(製造間接費)75,000 |
まとめ
労務費は本試験の第4問でも良く出てくるので、ポイントさえ覚えてしまえばサクッと得点できたりします。
・借方は「製造間接費」、貸方は「賃金」(直接労務費以外)
・予定賃率×作業時間=金額
独学で勉強に励むのはつらい時もありますが、続ければ必ずチャンスが来ます。
応援していますよ。ファイト!