クレジット払いは商品の売買をするときに便利な機能です。
実生活でもVISA、JCB、Master Cardなどのブランドがありますね。

PayPayの「あと払い」サービスも、クレジット払いの1種です。
簿記の第1問(仕訳問題)でもよく出るので、チェックしておきましょう。
クレジット払いは「借金」のこと
まず、クレジット払いとは「借金」の1つです。

え?その場でモノやサービス買えるじゃん??

それはその通り!
でも、財布に現金が無くても買えますよね?
買う時に、口座の残高が足りなくても買えますよね?
つまり、借金の1つなんですよ。
そもそもクレジットカードを作るのに、申込後に審査がありますよね
あれは「この人は翌月の支払いを出来るだけの収入があるか?」を見られてるんです。
つまり、「肩代わりした借金を、きちんと返してくれるだけの信用があるか」を審査されてます。
こうした審査を通過すると、信用がある証としてクレジットカードが発行されます。
そのため、財布や口座の残高が無くても、買い物をすることが出来るんですね。
お店が手数料を払っている
クレジット払いは便利なサービスですが、一方でこう思ったことはありませんか。

こんなに便利なのに、なんで僕たちは無料で使えているんだろう?
そう、私たち利用者は無料でカードを使えています。
クレジットサービスを提供する企業は、それを利用する企業(お店側)から”手数料”を取っているんです。

そのため、お店側(経営者)としては現金払いの方がうれしいんですね。
だって、クレジット決済はカード会社に手数料抜かれちゃいますもん。
例題を解いてみよう
では、例題を解いてみましょう。
なお、税率は10%とし、税抜き方式で処理する。クレジット手数料には消費税は加算されない。
(1)お客さん側の仕訳をしなさい。
(2)お店側の仕訳をしなさい。

数字がいっぱい出てきて耳鳴りが…

しっかり!落ち着いて1つずつ整理していきましょう。
大丈夫ですよ。
まず、問題のなかの情報を整理しましょう。
現金で支払い済み:66,000円(税込)
クレジット手数料:5%
(1)お客さん側の仕訳
お客さん側から見ると、66,000円を現金、残りをクレジット支払いします。

クレジットで支払った分はいずれ支払う借金なので、
「クレジット買掛金」(負債)で処理します。
よって、答えはこうなります。
(借方) | (貸方) |
---|---|
(商品)330,000 | (現金)66,000 |
(クレジット買掛金)264,000 |
(2)お店側の仕訳

お店側の仕訳は、以下のように
2ステップに分けると解きやすいですよ
②税金(消費税)の仕訳
③①と②を足す
①税金以外の仕訳(現金とクレジット)
・商品300,000円(税抜)を売り上げた
・現金66,000円(税込)を受け取った
→66,000÷1.1=60,000円(税抜)
・信販会社へのクレジット手数料は5%
→300,000円×5%=15,000円
よって、①の仕訳は以下のとおりです。
(借方) | (貸方) |
---|---|
(現金)60,000 | (売上)300,000 |
(支払手数料)15,000 | |
(クレジット売掛金)225,000 |

例題には、最後にこう書いてあります。
「クレジット手数料には消費税は加算されない」
そのため、消費税は分けて考えるんですね。
②税金(消費税)の仕訳
・商品300,000円(税抜)を売り上げた
→消費税は300,000×10%=30,000円
・現金66,000円(税込)を受け取った
→消費税は66,000÷1.1=6,000円

商品を売上げた場合の消費税は、いずれ国に納めることになります。
そのため、「借受消費税」(負債)で処理します。
よって、②の仕訳は以下のようになります。
(借方) | (貸方) |
---|---|
(現金)6,000 | (借受消費税)30,000 |
(クレジット売掛金)24,000 |
③①と②を足す
最後に、①と②を足します。
これがお店側の仕訳の答えです。
(借方) | (貸方) |
---|---|
(現金)66,000 | (売上)300,000 |
(支払手数料)15,000 | (借受消費税)30,000 |
(クレジット売掛金)249,000 |

300,000円の商品が売れると、
手数料で15,000円も取られるのか…

そうなんです。無視できない金額ですよね。
「現金で支払ってくれると嬉しい」っていう
お店は少なくないと思います。
まとめ クレジット払いは消費税と売上を分けよう
クレジット払いは借金の1つですが、上手に使うことで便利に買い物をすることが出来ます。
その一方、お店側としてはクレジット会社に手数料を取られるので、本音としては現金支払いが良い店もあるでしょう。
簿記試験では問1の仕訳問題でよく出題されます。
お店側の仕訳は、以下の3ステップで順番に解いていきましょう。
②税金(消費税)の仕訳
③①と②を足す
